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『ハーブ&ドロシー』

千葉劇場で上映中の『ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの』
(上映終了は4/26(土))



前作『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』に引き続き、
ハーブとドロシーが40年間かけて集めてきた4000点以上のアートコレクションを
全米の美術館に寄贈するプロジェクトを追う。
言葉で説明すると、一般市民の奇特な慈善事業みたいになってしまうが、
このドキュメンタリーを見ると、アートへの見方が変わる。

ふたりがアートを選ぶときの基準はすごくシンプル
1.自分たちの給料で買える値段であること
2.1LDKのアパートに収まるサイズであること
3.好きなアートを見つけるのに、知識や理屈は必要ない
単純明快であるが、ふたりがすごいのは、この基準にブレがないということ。
誰しも何かを続けていくうちに、外野の声にひよったり、つい欲が出て規格外のものに手が出たり...
な〜んてことも起こりがちだが、ハーブとドロシーにはそれが通用しないのだ。
その感覚がどこからわき出してくるのか、映画を見ながら感じるもよし。

小品ながら(だからこそ)この映画がアート音痴なわたしにも響いてきたのは、
監督でありプロデューサーでもある佐々木芽生(ささき めぐみ)さんの感覚が効いていたのかもと思った。
その正体は、パンフレットにあった監督のメッセージからわかったような気がする。
監督は「撮影がほぼ終わり、編集段階で頭を抱え」たとのこと。
「下手をすると、単なる美術館カタログになりかねない」のを避けるため、
「編集者と議論を重ねて、構成やテーマを考えつづけ」て、辿り着いたのが、
「編集しながら描いていたのは、縦糸を50×50という寄贈プロジェクトに、横糸に、二人の人生のその後やアートを巡る問いやテーマを編み込んでいき、最後にきれいなタペストリーが完成する、というビジョン」であったこと。

そうか、やはりわたしは、物事の過程に自分の興味をそそるもの、
魅力的なものがあると反応するのだと再確認。
どんなに偉大で歴史的な出来事であっても、その過程に魅力がなければアウト。
その意味で、ハーブとドロシーのアーティストや美術館学芸員たちに対する態度が
一環しているところに魅力を感じた。
へつらうことなく、見下すこともなく、誰に対しても平常心で公平、
かつウィットにとんでいるところが格好よかったのだ。

また、映画の終盤で語られるドロシーの宣言に、監督は予想外だったとのことだが、
これをちゃんと記録として映画に残してくれた。
ドロシーの見事な転身ぶりに、わたしは拍手喝采!

気になったのは、映画の中に男性アーティストは数人登場するものの、
女性アーティストの姿がない。(一人だけいたかな?うろ覚え)
↓二人のコレクション一覧を見ると、女性アーティストの作品もあるのにだ。
ハーブ&ドロシーのコレクションはVOGEL 50×50としてネットで見られる。

アーティストが故人になっているのか、それとも撮影許可が取れなかったのか、
撮影の裏側には別の物語がありそうだ。
しかしながら、登場する男性アーティストたちを観察するという意味では面白かった。
彼らには、なんらかの“権威”に認められたいという欲求があるように感じたのだが、
マズローの欲求段階説でいうところの“承認欲求”に飢えているのか?
だからアーティストになったとも言えるのか?

裏話というわけではないが、二人のコレクション寄贈プロジェクトを持ちかけたのは
一人の学芸員ルース・ファインだった。
「美術館というのは、そもそもコレクターが築き、コレクターが支えてきた。
いわばコレクションのコレクション。」
というのを初め、彼女の言葉にも美術館の裏方を垣間見せる情報があった。
コレクターの趣味・趣向と学芸員のセンスが問われる場所、それが美術館ということか。
もちろん展覧会を見に行く側にも、そこで何を感じるか、感じられるかというセンスが問われる?
な〜んて、構えて行くほどのところではなく、わたしは今までどおりなんらかの興味を感じたら行くだけさ。


さて、ハーブ&ドロシーの物語(タペストリー)から我田引水
西暦1500年頃の制作とされる6面の連作タピスリーを展示する展覧会の開催も間近。
貴婦人と一角獣展
新国立美術館にて4/24〜7/15

因みに、トレイシー・シュヴァリエはこのタピスリーにヒントを得て
『貴婦人と一角獣』という物語を紡いだが、この小説もまた秀逸である。

貴婦人と一角獣貴婦人と一角獣
(2005/01)
トレイシー シュヴァリエ

商品詳細を見る

もちろん史実にはない作り話なのだけど、時代考証も踏まえているので破綻がないし、
なにより、シュヴァリエという作家に魅力を感じた。
本のページをめくるたびに、表紙や口絵に使われているタピスリーの写真を眺めたくなってしまい、
忙しいことこの上ないが、とても充実した読書体験だった。
わたしは小説を読んだからこそ展覧会へも行きたくなったくちだが、
展覧会でこの6連タピスリーを実際に見たら、また小説を読みたくなってしまうかも。

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千葉市男女共同参画センター主催映画上映会
星(背景黒)
2014年11月28日(金)
『若草物語』

20141128.png
2014年11月29日(土)
『ハンナ・アーレント』

20141128.png
場所 千葉市男女共同参画センター(3F)イベントホール
定員 160名(当日先着順)
参加費 無料
問合せ 千葉市男女共同参画センター


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